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奈良市の消化器内科クリニック。胃カメラ(経鼻内視鏡)と大腸カメラは、まえかわ医院へお任せください。


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ブログ2016年


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<12月> 大阪ハイエンドオーディオショウ 2016

 早いもので、今年も残すところあとひと月となりましたね。先月、大阪のハイエンドオーディオショウ2016に足を運んできました。場所はハートンホテル心斎橋、わりと普通のビジネスホテルです。一部のメーカーは大きな部屋でデモしていましたが、ほとんどのブースは810畳ぐらいの広さで3人もいれば一杯で圧迫感を感じます。ホテルの部屋なので音響は今ひとつですが、入場無料で多くの高級な機材を持ち込んでオーディオファンを楽しませてくれるのは有難いです。写真はハーマン・インターナショナルのブース。スピーカーはJBLのフラッグシップモデル、Project EVEREST DD66000です。レコードやCD、ハイレゾなどの試聴が行われましたが、私はやはりアナログレコードの音が一番滑らかで素晴らしいと感じました。スピーカーがペアで600万円というのはさすがに手が出ませんが・・・年末ジャンボで1等が当たれば買ってみたいですね。それでは皆さん、来年も良いお年を。



<11月> 医療用大麻とは?

 元女優の高樹沙耶さんが大麻取締法違反で逮捕され、医療用大麻という言葉が注目されていますね。しかし大麻には医療用大麻というものはなく、大麻の医療目的使用というべきでしょう。日本では大麻(マリファナ)は大麻取締法によって禁止されています。大麻の薬効成分のカンナビノイドにはテトラヒドロカンナビロール (THC) やカンナビジオール(CBD)などがありますが、THCや合成THC製剤は麻薬及び向精神薬取締法により禁止されています。
 大麻は聴覚・視覚・味覚などが鋭くなり感受性が高まります。多幸感が得られる半面、理解力が下がります(いわゆるトリップ状態)。また空腹感や口渇、眼充血・頻脈などが起こります。医療的には鎮痛作用や鎮静作用、催眠作用、食欲増進作用や吐気の緩和、眼圧の低下などが得られます。モルヒネや非ステロイド鎮痛剤で十分な効果が得られない疼痛に対して大麻が有効なことがあります。他にも抗ガン作用、神経保護作用や脳細胞の新生を促す可能性が示唆されていますが、現在のところ医学的な治癒効果は確立されていません。モルヒネなどに比べると副作用や依存性が少ないとされていますが、他の薬物と併用して死亡する例や、自動車の運転で事故を起こして死亡する例は少なくありません。日本での使用が認められるにしても、モルヒネと同じように末期の癌患者の疼痛緩和などに限定するべきでしょう。



<10月>「聲の形」~こえのかたち
 先月に観た映画がとても感動的でした。漫画原作のアニメーション映画「聲の形」。本作はいじめや障害を題材として描かれた、少年少女たちの青春群像劇です。物語は小学生のガキ大将、石田将也と転校生で聴覚障害を持つ西宮硝子の出会いから始まります。耳が不自由な硝子をいじめ、転校に追いこんでしまう将也。そのあと将也は仲が良かった友達からも距離をおかれ、自分がいじめられる側になってしまいます。孤独になった将也は中学、高校の5年間をずっと心を閉ざしたまま過ごします。そして高校生3年生になった将也が硝子との再会を果たした時、止まっていた2人の時間が動き出して・・・人は変われるのか?罪を許すのは誰なのか?悩み、苦しみもがき、そこから抜け出そうと頑張る「人間」を描いた素晴らしい作品です。こんなに泣ける映画を今まで観たことはありません。万人受けする映画ではありませんが、機会がありましたらぜひご覧になってください。



<9月> 蚊は怖い!?

 みなさん、世界一人間の命を奪っている生き物とはなにかご存じでしょうか?それは蚊です。以下がランキングとなっています。2位が人間というのがなんともシュールですよね・・・
(1位)蚊(2位)人間(3位)ヘビ(4位)犬(狂犬病)(5位)ツェツェバエ(6位)サシガメ(7位)淡水巻貝(8位)回虫(9位)サナダムシ(10位)ワニ(11位)カバ(12位)ゾウ(13位)ライオン(14位)オオカミ(15位)サメ
 蚊はマラリアやデング熱といった病気を媒介し、毎年75万人の命を奪っています。これらは熱帯や亜熱帯地方でみられる病気ですが、地球の温暖化に伴って日本でも将来的に増えてくる可能性があります。マラリアはハマダラカによって媒介され、日本では海外から帰国した人の感染例が年間100人以上あります。デング熱はヒトスジシマカによって媒介され、2014年には一時的に100人以上の国内発生がみられました。他にもチクングニヤ熱(ヒトスジシマカ)、ウエストナイル熱(イエカ・ヤブカ)、日本脳炎(コガタアカイエカ)などが、少数ですが国内でみられています。たかが蚊、されど蚊です。特に熱帯や亜熱帯地方の海外へ行く人は要注意です。高熱や発疹、頭痛や意識障害がみられたら、すぐに医療機関を受診しましょう。



<8月> 便潜血検査ってなに?
 いよいよ暑くなり夏も本格的になってきました。奈良市の特定健診、大腸癌検診が始まっています。みなさん大腸癌検診は受けていますか?大腸癌検診の便潜血検査は、便中に含まれる目に見えないレベルの血液を検出する検査です。もっとも簡単に大腸癌を調べる方法なので、まだの方はぜひ受けるようにして下さい。
便潜血が陽性である場合は大腸カメラで原因を調べることになるのですが、実際のところどれくらいの病気が見つかるのでしょうか?
 当院の過去の大腸カメラの統計によると、便潜血陽性の方には痔が70%に認められています。ポリープが58%、憩室が45%、実際に癌が見つかったのは12%でした。便潜血陽性の原因の多くは痔によるものだと思われます。しかし10人に1人以上は実際に癌が見つかっており、ポリープは2人に1人以上が見つかっているので、切除することで将来的な癌の発生を防ぐことができます。大腸癌は全ての癌の中で女性で1位、男性では3位を占める病気です。キチンと検診を受けていれば早期発見により根治することが可能です。年1回の便潜血検査をなるべく受けるようにしましょう。



<7月> 飲まない方がいい薬があるってホント?
 最近、週刊現代などで医薬品に対するネガティブキャンペーンが凄いですね。たとえば心筋梗塞のステント治療後に飲む血液をサラサラにする「プラビックス」という薬。しかしプラビックスは脳梗塞に対する効果は完全には証明されていません。単にそれだけで「飲んではいけない薬」の1位にリストアップされています。この記事を読んだ人が勝手に薬を中止して心筋梗塞が再発したら、週刊現代は一体どう責任をとるのでしょうか?他にも、頻度の非常に少ない重篤な副作用だけをクローズアップしたり、データが十分でないというだけで意味のない薬だと決めつけたりしています。逆に「飲まない方がいい」という明確な根拠のある薬は、リストの中に一つもありません。飲むか飲まないかはすべてケースバイケースです。

 全ての薬には副作用があります。飲むことによって得られるメリットが副作用のリスクを上回るのかどうか、医師は当然それを考えて薬を出しています。漫然と必要のない薬を飲み続けるのは確かによくありません。しかし患者さんは週刊誌の怪しい記事ではなく、正しい医学知識をもって、自分の飲んでいる薬が本当に必要であるかどうか考えていただくことが大切だと思います。


<6月>Windows 10 強制アップデートに戦々恐々
 2016
年、マイクロソフトはとんでもない暴挙に出ました。それはOSの強制アップデートです。インターネットにつないでいるだけで勝手にパソコンにWindows 10がダウンロードされ、分かりにくい手続きを経ないといつのまにか勝手に10にバージョンアップされてしまうのです。アップデートは2016729日まで無料ですが、それまでは強制アップデートが続きます。Windows 10にすると様々な不具合が起こります。従来のDVD再生ソフトやプリンターなどの周辺機器が使えなくなったり、パソコンによってはまともに動かなくなってしまうこともあるようです。仕事中に急にアップデートが始まることもあり、業務が中断してしまった例も報告されています。さらにはパソコン内部のデータをマイクロソフトが自由に閲覧できるようになると言われています。
 そこで誰にでも簡単に使える無償の回避ツール「GWX control panel」をオススメします。インターネットからのダウンロードが必要ですが、インストールも使い方もすごく簡単です。これを使うとしつこいアップデート通知はなくなり、勝手にパソコンにダウンロードされたWindows 10のファイルもすべて消してしまうことができます。2020年まではWindows 7のセキュリティサポートが続くので、それまでは7を使い続けたいと思います。


<5月> 平成28年熊本大地震
 2016414日に熊本県でM6.4の地震(前震)が発生、416日にM7.3の地震(本震)が発生し、震度7が観測されました。日本国内における震度7の観測は、1995年の阪神・淡路大震災、2004年の新潟県中越地震、2011年の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)に続いて4回目です。今回の地震で現在49人が死亡し、余震は1000回超となっています。急速に復旧が続いていますが、今もなお2万人以上の人々が避難所に身を寄せている状態です。亡くなられた方のご冥福と被災地の方々への支援が届くようお祈りいたします。
 この記憶が新しいうちに、非常時のための備えを確認しておきましょう。持ち出すものとしては、現金、通帳、印鑑、免許証、保険証、パスポート、スマホ(携帯電話)は必須です。食品、水、薬品、懐中電灯、電池、手動充電式ライト、多機能防災ラジオ、ライター、ロウソク、缶切り、ナイフ、衣類、手袋、防災ずきん、毛布、タオル、ティッシュ、ガムテープ、ラップ、ごみ袋、家族の写真、メガネ、笛など。普段使わないものはひとまとめにしてリュックに入れ、玄関の近くなどすぐ出せる場所に置いておきましょう。地震大国日本、明日は我が身かもしれません。



<4月> 腸内フローラってなに?
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月になり、あちこちでは桜も咲き始めていますね。さて最近、腸内フローラ(お花畑)という言葉を耳にしますが、これはいったいなんでしょう?
 私たちの腸内には100種類以上、100兆匹以上、重さにして1.5kgほどの細菌が存在します。これを腸内に咲いたお花畑(フローラ)と呼ぶんですね。腸内フローラは肥満やアレルギー等の体質改善、糖尿病やガン等の病気予防、シワ予防等の老化防止、更にはうつ等の精神状態や性格にまで大きな影響を与えているのです。たとえば、善玉菌(ビフィズス菌や乳酸菌)が食べ物を分解する時に出す短鎖脂肪酸は肥満や糖尿病を防ぎ、エクオールという物質は肌のハリを保つコラーゲンを増やし老化を予防してくれます。一方で悪玉菌(ウェルシュ菌や黄色ブドウ球菌)はメタンガスや硫化水素など悪い物質を産生し、さらには腸粘膜のバリア機能を破綻させ食物アレルゲンによる免疫異常を引き起こすのです。善玉菌を増やすためには、ヨーグルトや納豆、チーズ、ぬか漬け、味噌、キムチ等を食べること。そして善玉菌のエサとなってくれるオリゴ糖や食物繊維豊富な食品(ゴボウ、ニンニク,タマネギ、大豆、ハチミツ、きな粉等)を摂取することです。さあ、腸から体質改善してみましょう!



<3月> 春に散る
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月になると春が少しずつ近づいてくるのを感じますね。私が最近楽しみにしているのは、朝日新聞小説の「春に散る」です。すでに連載300回を数えるこの作品ですが、毎朝1番にこれを読むのが私の日課になっています。作者の沢木耕太郎さんといえばバックパッカーのバイブルとも言われる「深夜特急」が有名だと思いますが、これまで一人旅というテーマが多かった沢木さんの作品の中で、「春に散る」はちょっと毛色が違う気がします。
 アメリカから帰国した60歳を超えた初老の元ボクサー広岡仁一は、真拳ジムでともに四天王と呼ばれた3人の旧友を訪ね歩きます。離散、孤立、喪失、病苦・・・彼らはそれぞれに事情を抱えていました。そこで広岡はみんなが一緒に住める家を探し始めます。不動産から紹介された白い家は一家心中のあった事故物件でしたが、リフォームされて生まれ変わります。そうして年老いたボクサーたちの奇妙な共同生活が始まるのでした。主人公の広岡は高倉健さんをイメージしたという話で、無骨な性格と風貌がとてもイカしてます。3人のボクサー仲間たちも一人一人が味があって魅力的です。中田春彌さんの挿画も作品とぴったりマッチして、世界観の構築に一役買っています。この画を見るのも楽しみの一つです。夢に破れた男達が、これから一体どこに向かっていくのか・・・単行本化されるのが待ち遠しいです。



<2月> 痛~い尿管結石
 早くも2月になりました。今回は尿管結石のはなしです。尿の中のシュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムが増えると、腎臓に石ができます。この段階ではほぼ無症状ですが、腎臓の石が落ちて尿管につまってしまうと、激しい腹痛・腰痛や血尿が出現します。これが尿管結石です。腹痛で転げる患者さんが救急車で運ばれてくるとドキッとするものですが、CTや尿検査で尿管結石と診断がつくとホッとしますね。
大きさが5mm以下の小さな石は尿と一緒に自然排泄されるので痛みどめで様子を見ることが多いですが、10mm以上の大きな石は体外から衝撃波を照射して石を砕く「体外衝撃波砕石術」や、内視鏡下のレーザー手術「経尿道的腎尿管砕石術」などが行われます。尿路結石は再発を繰り返す人が多く、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病と多くの共通点があることが分かっています。予防のためには、水分を十分に取る(1日最低1リットル以上)、寝る前の飲食は控える(最低2時間以上あける)。野菜や果物、海藻類をよくとり、アルコールや塩分を控える、以上の点に気をつけましょう。


<1月> 2016年 賀正
 皆さま、新年明けましておめでとうございます。年末に私は山形の赤湯というところに行ってきました。スキー場で有名な蔵王の近くにある温泉地です。今回泊まった大文字屋さんはかつて伊能忠敬も宿泊したという由緒ある温泉宿だそうです。ちょっとしなびた感じが私の好みですね。かけ流しの源泉で疲れを取り、山形牛に舌鼓を打ってきました。山形のお米を使った日本酒「出羽桜吟醸」はフルーティーかつふくよかな味わいで、すっかり気に入ってしまいました。しかし山形は東北というだけあって料理の味付けが濃い目ですね(特にすき焼き)。毎日これだと血圧が上がってしまいそうです。でも山形の人はみんな素朴で控えめで、優しい感じがします。東北は日本の心の故郷と言われるのが分かる気がしますね・・・元旦には宿の近くにある烏帽子山八幡宮で初詣をしてきました。写真では雪が見えていますが、これでも例年に比べると暖冬のせいでかなり少ないとのことです。温泉でゆっくりリフレッシュできたので、これからまた1年頑張っていきたいと思います!

まえかわいい 医療法人 前川医院

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