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奈良市の消化器内科クリニック。胃カメラ(経鼻内視鏡)と大腸カメラは、まえかわ医院へお任せください。


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<12月> AI(人工知能)がやってくる

 最近AI(人工知能)という言葉をよく耳にするようになりました。AI(artifical intelligence)という用語が造られたのは1956年のことですが、コンピューターの処理速度の向上やAIの自律学習機能であるディープランニング(深層学習)技術の発展により、近年のAIの性能は目を見張るものとなっています。代表的なAIといえば囲碁に特化した「アルファ碁」やAppleの「Siri」に代表される音声対話システム、車の自動運転、お掃除ロボットなどですが、医療の世界でもAIによる新展開が始まっています。もっとも研究開発が進んでいるのが画像診断の分野です。CTやMRIの画像から腫瘍の自動発見を行う技術が実用化されようとしています。また診療の補助ツールとしてもAIの活躍が期待されます。自治医科大学が開発している「ホワイト・ジャック」は重大な病気の見逃しを防ぐための機能が搭載されています。AIを組み込んだパーソナル医療アシスタントは薬を飲む、運動する、健康的な食事をするといった活動の励行を促してくれます。ほかにも米IBMが開発した「Watson(ワトソン)」は癌の遺伝子解析や論文検索に大きな力を発揮しており、新薬の発見などにもAIが応用されてきています。
 このように人工知能(AI)は素晴らしい可能性を秘めていますが、その限界も理解しておかなければなりません。まず
AIが学習するためにはフレームづくりが必要で、そのシステム作りには膨大な労力を要します。また誤ったデータが入力された場合、AIは正しい判断ができなくなってしまいます。また総合的な判断能力は人間の方が絶対的に高いと言えます。医療において複数の治療方法からどれを選択するかは患者と医師の対話から生まれるもので、AIでは代替できません。人間がAIに駆逐される未来がこないことを願って・・・それでは皆様、来年もよいお年を!


<11月> 電話機をリニューアル
 11月に入り朝晩がずいぶん冷え込むようになってきました。夏の猛暑とのギャップに体がついていきませんね。さて当院では20年ぶりに電話機を交換しました。新しい電話機はNTTDCP-5800P。画面やボタンが大きくて使いやすく、最新機種だけあって機能も豊富。これを機にナンバーディスプレイも導入しました。これはスマホや携帯では当たり前の機能ですが、固定電話でもナンバーディスプレイがあるとやはり便利です。番号非通知のTELFAXを着信拒否にしたので、マンション購入の勧誘電話やら無駄な広告FAXが激減しました。入ってきても番号から着信拒否してしまえば済むので、今後この手のことに煩わされずに済みそうです。またナンバーディスプレイの利点としてコールバックができるというのも大きいです。電話が取れなかった場合でもかけ直せるので、大事な電話だった場合には助かります。ところがこの電話機を当院のCANON複合機(ファックス、プリンター・コピー・スキャナー)に繋いでみたところ、なぜかナンバーディスプレイが表示されない!マニュアルを読んでも記載がありません。色々調べた結果、FAXの着信音をOFFに設定しているとナンバーディスプレイが表示されないことが判明しました。しかしFAX着信音をONにすると、今度はFAXが来るたびに手動でCANONFAX受信ボタンを押す必要があることが判明。少し手間が増えてしまいましたが、ナンバーディスプレイの便利さには替えられませんね・・・


<10月> 常識破りの超健康革命?
 先日患者さんに1冊の本をいただきました。そこに書かれていたことはまさに革命的でした。要約すれば、健康と長寿にもっとも役立つものはベジタリアンの食事であるという内容です。そして果物が理想的な食事であると書いてあります。
 もともと霊長類、人類の祖先はアフリカの森林に住んで果物や野菜を食べていました。しかし250万年前に氷河期が始まり森林が減少し地表には草原が増えました。そこに草食動物や肉食動物が増え、肉食動物の食べ残しや草食動物を捕獲するようになり人類の肉食が始まりました。農耕が始まったのはかなり最近の1万年くらい前です。そこから人は現在のように穀物、肉や魚、野菜や果物をとる雑食となりました。もともと霊長類が主食としていた野菜や果物は消化にエネルギーをほとんど使わず、腸内に残渣をほとんど残しません。一方パンやご飯、肉・魚は霊長類の消化機構に負担をかけ消化にかなりのエネルギーを要し、残渣が残って腸内で腐敗し有害物質(硫化水素、メルカプタン、酢酸など)を発生させます。特に肉食が多い人は体臭がきつく、オナラやウンチが臭いのはこのためです。そして腸内で発生した有害物質は癌やアレルギーの元となり、毒血症が様々な病気を引き起こすのです。しかし野菜や果物だけで人間は生きていけるものでしょうか?果物や野菜には果糖、食物繊維、ビタミン、ミネラル、酵素、抗酸化物質が豊富に含まれています。しかし栄養素には人間の体の中では合成できないもの、必須脂肪酸や必須アミノ酸というものがあります。しかし大豆やゴマなど植物からもそれは取れなくはないようです。実際この本に書かれているように、朝食はとらないか果物のみ。肉や魚を食べるときはご飯を食べない。ご飯を食べるときは肉や魚を食べない。食事では新鮮な野菜を同時にたっぷりととる。これを試してみると確かに食後の胃の重さがほとんど感じられません。やはりこれまでの食事は胃腸に負担がかかっていたと思われます。どれだけ続くかは分かりませんが、果物・野菜中心の食事をできるだけ目指してみようと思います。


<9月> 尿酸値が高いと言われたら?
 ビールを飲むと尿酸が上がるとよく言いますよね。尿酸値が高いと一体どのような問題が起きるのでしょうか?尿酸は核酸(DNAやRNA)の主成分であるプリン体が代謝されてできる最終産物で、尿中へと排泄されます。血液や尿中の尿酸が増えると結晶となって全身で悪さをします。尿酸が関節に溜まると足の親指の付け根やその他の関節が腫れて、痛風発作が起こります。皮下組織に沈着すると痛風結節というコブを作ります。腎臓に沈着すると腎臓結石や痛風腎となり、腎臓の機能を低下させます。それだけではなく高尿酸血症は多くの場合、糖尿病・脂質異常症・高血圧・肥満や慢性腎臓病を合併しています。尿酸値が7.0以上の人は未満の人に比べて脳卒中発生率が2.5倍、末期腎不全、狭心症や心筋梗塞の発生率が4倍と高く、それらの疾患による死亡率も同程度に高くなっているのです。
 高尿酸血症を予防するためにはプリン体を多く含む食品(干しシイタケ、レバー、魚の干物、エビ、アンコウの肝など)を控える必要があります。アルコールにもプリン体が含まれており、特にビールは焼酎などの蒸留酒の約500倍のプリン体が含まれます。さらにアルコールには利尿作用があり、尿酸が濃縮されることで高尿酸血症が悪化します。また肥満によって尿酸を作りやすく排泄しにくい体質になるため、最近ではプリン体の摂取制限よりもむしろ過食をやめて適正な体重に戻ことが重要だと考えられています。激しい運動(無酸素運動)は新陳代謝が活発となり尿酸値が上昇しますので、ウォーキングなどの軽い運動(有酸素運動)を定期的に行いましょう。ストレスは尿酸値を上げますのでその解消にも運動は有効です。尿量が増えると多くの尿酸を排泄できるので、水は12リットル以上飲むことが推奨されます。尿をアルカリ性に近づける海藻や野菜は尿路結石の予防に有効です。「尿酸値が高い」と言われたら生活習慣を見直してみましょう!



<8月> ロシアワールドカップ 2018
 猛暑の折、みなさまいかがお過ごしでしょうか?先月2018 FIFAワールドカップのロシア大会が終了しました。今回クロアチアとの決勝を制したフランスが2度目の優勝を果たしました。

 日本代表はハリルホジッチ監督の元、浅野や井手口ら若手の台頭によりアジア最終予選を勝ち抜きました。その後ハリル氏の突然の解任劇があり、西野朗氏が新監督に就任。グループリーグ初戦で前回大会で敗れた強豪コロンビアと当たります。開始早々に香川のシュートをハンドで止めたカルロスサンチェスが一発退場、香川がPKを決め日本が先制。その後10人となった相手に日本は1点を返されますが、大迫がヘッドで勝ち越し弾を決めてコロンビアに2-1で勝利するという最高のスタートを切りました。2戦目のセネガル戦では2度にわたって相手のリードを許すも、乾と本田のゴールで追いつき2-2のドロー。日本の底力を感じさせる試合でした。3戦目のポーランド戦でセットプレーからの先制を許した日本は窮地に追い込まれます。しかしここで西野監督は大バクチに出ます。終盤ボール回しで時間を稼ぎ、0-1のまま試合を終えることを選択。勝ち点と得失点差で並ぶセネガルを日本がイエローカードの枚数の差でわずかに上回り、決勝トーナメントに駒を進めたのでした。そして相手はFIFAランキング3位、優勝候補の一角ベルギー。前半を0-0でしのいだ日本に後半チャンスが訪れます。柴崎のスルーパスから原口がまさかの先制ゴール。さらに乾が追加点を奪い2-0で日本がリードするという予想もしなかった展開に。正直勝ったと思いました。しかしやはり本気になった赤い悪魔ベルギーは強かったのです・・・後半20分のうちに立て続けに3点を決められ、日本代表は敗れてしまいました。残念でしたが、ベスト16に残ったのは胸を張れる結果だったと思います。サッカー日本代表、夢をありがとう!次回2022 FIFAワールドカップはカタールで行われる予定です。



<7月> 気になる尿の泡立ち
 ビールが美味しい季節になりました。しかし飲みすぎた翌日、なんだかいつもより尿が泡立つ気が・・・それはもしかして病気なのでしょうか?

 尿にはもともと界面活性作用があるウロビリノーゲンという物質が含まれているため、健康な人でも尿が泡立つことはあります。特にアルコールを多量に摂取したり、激しいスポーツで汗をかいて脱水状態になって尿が濃くなった場合、泡立ちが目立つようになります。しかし正常な場合の泡立ちは短時間で消えるという特徴があります。問題となるのは時間がたってもなかなか泡が消えない場合です。この場合は尿にタンパクが多く含まれている可能性があり、腎臓に異常があることを示しています。たとえば「慢性腎炎」、「ネフローゼ症候群」といった腎臓の病気では、腎臓(糸球体)における蛋白のろ過機能が落ちてしまい、尿に蛋白が出てしまいます。また「多発性骨髄腫」などの病気では、異常な蛋白(免疫グロブリン)が大量に作られてしまうため、腎臓のろ過機能で処理しきれない蛋白が尿に出てきます。蛋白の他にも、尿に糖が多く含まれている場合も泡立ちが残るようになります。血糖値が一定の数値を超えると尿にも糖が出るようになり、これは糖尿病がかなり進行している状態です。尿が甘酸っぱい臭いがするようなら要注意です。健康のため、毎日の尿をチェックしてみましょう!



<6月> 現代パステル協会展
 先月「現代パステル協会展」が大阪市立美術館で開催されました。これは毎年5月に東京と大阪で開かれ、今回が第30回記念となります。うちの父が数年前から出展している関係で、私も見に行ってきました。まずは近鉄電車で大阪へ。日本橋で降りると電気街に沿って南にテクテク歩きます。通天閣につくと新世界を通り抜け、天王寺動物園の入り口へ。向こうの空にあべのハルカスが見えています。そのまま動物園を通り抜けると大阪市立美術館に到着。徒歩で約1時間、いい運動になりました。
 パステル展は地下の展覧会室で行われており、大小さまざまなパステル画が展示されています。200点以上の絵画を順番に見ていくと、父の絵を発見しました。最近は抽象画を描くことが多いようですが、今回もやはり抽象画です。「エレジー」というタイトルがついており、父いわくガブリエル=フォーレの楽曲からつけたそうです。エレジー(チェロと管弦楽のためのエレジー)はフォーレが1880年に作曲した楽曲で、ピアノとの二重奏版も存在します。静かでどこか物悲しい楽曲です。さて父の「エレジー」ですが、真ん中の黄色の色彩を赤が囲み、さらにその周りに黒や青、赤といった色彩をもったさまざまな形のパーツが配置されています。楽曲エレジーから父が感じた心象風景を絵に表すと、こういう風になるのでしょうか。抽象画というのは何が描いているのか全く理解できませんが、見たままに素直に感じればいいのでしょうね・・・そのうち待合室に飾るようになると思いますので、みなさんにもご覧になっていただけると嬉しいです。それでは梅雨の時期ですが、滅入ることなく頑張っていきましょう!



<5月> 麻疹(はしか)にご注意を
 ゴールデンウィークに入りました。旅行に行かれる方も多いと思いますが、先月頃より沖縄県を中心に麻疹(はしか)の流行がみられます。当該地に旅行される方はどうぞご注意ください。麻疹、結核や水痘(みずぼうそう)は空気感染で、インフルエンザや風疹、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)などは飛沫感染です。飛沫感染では咳やくしゃみの飛沫が届く範囲に入ると感染しますが、空気感染は空気中に病原菌が漂っているため、同じ部屋にいるだけで感染する可能性があるので要注意です。

 麻疹(はしか)は1012日の潜伏期間の後、微熱・咳・鼻水・結膜炎などが出現します。口内にコプリック斑という白いブツブツがみられることがあります(カタル期~3日)。いったん解熱した後、顔や首に赤い発疹が出現し全身に広がります。発疹に融合がみられるのが特徴です。再度発熱も出現し、39℃を超える高熱が続きます(発疹期~7日)。その後は熱が下がり、発疹も消えていきます(回復期~10日)。経過中に肺炎や、頻度は低いですが脳炎の合併を起こすこともあります。また数万人に1人の割合で亜急性硬化性全脳炎(SSPE)という脳障害が数年後になって出現することがあり、数年から10数年で死に至ります。麻疹の治療薬は現在のところありませんが、ワクチンを接種していればほぼ完全に予防できます。1回接種では数年で免疫効果がなくなりますが、2回接種によりほぼ終生免疫を得ることができます。また麻疹の人と接触して3日以内ならワクチン接種により発症を抑えることが可能です。これまで麻疹にかかったことのない方、ワクチン2回接種をしていない1977年~1990年生まれの方は麻疹ワクチンを接種しておきましょう。



<4月> インフルエンザに新薬登場
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月に入りすっかり暖かくなって、桜も満開となりました。インフルエンザの流行もほぼ収束したところですが、314日に塩野義製薬から1回飲むだけで治療が完了するというインフルエンザの新薬、「ゾフルーザ」が発売となりました。
 これまで使われてきたタミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタといった治療薬は「ノイラミニダーゼ阻害薬」という種類で、細胞内で増えたインフルエンザウイルスが細胞外に出るのを防ぐという働き方をするものでした。一方ゾフルーザは「キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬」というもので、細胞内でのウイルス増殖そのものを抑えます。症状消失までの時間はさほど変わらないとされますが、ウイルスが体内から消失するまでの時間が従来よりも早くなり、家族内や学校での広がりを抑えることが期待されます。またゾフルーザはA型、B型どちらのインフルエンザにも効果があり、鳥インフルエンザやタミフル耐性ウイルスにも有用であるとされます。気になる薬価の方ですが、10mg錠で1507.5円、20mg錠で2394.5円となっています。投与量は体重で決まりますが、成人で40mg(体重80kg以上では80mg)、小学生で20mg、幼児で10mgが目安です。治療にかかる薬価の合計を比較してみると、成人でラピアクタ点滴300mg×1日(6216円)>
ゾフルーザ内服40mg×1日(4789円)>イナビル吸入40mg×1日(4280円)>リレンザ吸入20mg×5日(3058円)>タミフル内服150mg×5日(2830円)となります。自己負担額はそれぞれの保険割合となります。ゾフルーザはインフルエンザ治療薬の中では高額の部類になりますが、1回飲むだけという簡便さと効果の高さを考えると、来シーズンには主力の治療薬となることが予想されます。次の冬が来るのはまだまだ先ですが、期待の新薬ですね。


<3月> レコードの丸洗いが完了しました
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月になって寒さも和らいできました。春がすぐそこまで来ていると実感します。
 昨年よりコツコツとすすめてきた手持ちのレコードの洗浄がようやく終わりました。レコードをかけた時のパチパチ、チリチリ、ゴソゴソというノイズ。これは、レコードの溝に入り込んだマイクロダスト(チリ、ホコリ、カビ)が原因です。しかしレコード盤の細かな音溝の奥まで入り込んだマイクロダストを除去するのは至難の業です。クリーナーをつけてクロスで拭いても、洗剤と歯ブラシでこすってみても、なかなかノイズは消えてくれません。もっと良い方法がないか探しみると気になる装置がありました。それは超音波洗浄機です。レコード専用の超音波洗浄機はお値段ン十万円もしますが、数万円の家庭用の超音波洗浄機で十分です。レコードにレーベルカバーを装着し、水に中性洗剤を少し入れて10分ほど超音波洗浄します。終わったら水ですすぎ、掃除機のパイプの先にガーゼを巻いて水分を吸引します。この方が単なるふき取りよりも、レコードの溝の奥までキレイになります。クリーニングを終えたレコードは新しい内袋へ。ここまで1枚あたり約20分かかります。比較的キレイなレコードはこれで十分に効果がありますが、古いレコードはこれでもノイズが消えません。最後の手段は 「レコードをかける」です。それも1回だけじゃなくパチパチノイズがなくなるまで何回もかけます。音溝11本に入り込んだダストは、音溝を正確にトレースするレコード針で掻き出すのが一番確実です。200枚以上あるレコードを11枚洗浄するのはかなり根気のいる作業でしたが、ちゃんとメンテナンスすることでレコードは100年先でもいい音で鳴ってくれることでしょう。



<2月> 恐ろしい膵臓ガン
 先月元プロ野球選手で監督の星野仙一さんが膵臓(すいぞう)癌で亡くなりました。日本人の死亡原因の1位は癌で2人に1人が癌になる時代です。2016年の癌の死亡者数は 男性で(1位)肺癌(2位)胃癌(3位)大腸癌(4位)肝臓癌
5位)膵臓癌、 女性で(1位)大腸癌(2位)肺癌3位)膵臓癌4位)胃癌(5位)乳癌となっています。膵臓癌は診断されてからの平均余命が半年で5年生存率は8%ほどしかなく、あらゆる癌の中でも特に予後が悪い癌なのです。
 膵臓は胃の背中側に位置する長さ20cmほどの細長い臓器です。膵臓癌を発見するためには血液検査や腹部超音波検査(エコー)を行い、異常が疑われた場合は精密検査として造影CTMRIなどを受けることになります。しかし体の深部に位置し初期には症状がほとんどないため、早期の段階で発見することは非常に困難です。膵臓癌はリンパ管や静脈への浸潤が起きやすく胃が重い、背中が痛い、食欲不振、体重減少、黄疸などの症状が出てきて発見された段階ではすでにステージ4(肝臓・腹膜・肺などの他臓器に転移している状態)に達していることが多いのです。 78割は外科手術の適応にならず、たとえ切除可能でも早期に再発を生じる可能性は高いです。発症の危険因子として喫煙や肥満、糖尿病、血縁者に膵臓癌の方がいることなどが挙げられます。リスクの高い方は定期的に腹部超音波検査を受け早期発見に努めましょう。日本中の野球ファンから愛された闘将・星野仙一元監督の突然の訃報に、心から哀悼の意を表します。



<1月> 2018年 賀正
 皆さま、新年明けましておめでとうございます。元旦に奈良の氷室神社に初詣に行ってきました。氷室神社は昔から氷の神様を祀っている全国でも珍しい神社です。
 和銅3
年(710年)元明天皇の勅命により吉城川上流の月日磐に氷神を奉祀し(下津岩根社)、厳寒に結氷させたものを氷室に蓄えて翌年に平城京へ献氷させるようになったのが氷室神社の始まりです。奈良朝770年余りの間はこの制度は継続しましたが、平安遷都後は廃止されました。現在の社殿が建立されたのは建保5年(1217年)とされています。氷室神社の神様は、製氷販売業、冷蔵・冷凍業の守護神と言われ、現在も大阪氷卸協同組合など製氷業を営む方が氷を奉納したりします。参拝者もフィギュアスケートのファンから氷室京介さんのファンまで訪れるそうで、まさに氷好きの氷好きによる氷のための神社です。元旦は参拝客もそれほどもなく、階段には氷でできた入れ物に蝋燭が入ったものが並べられていました。写真は今年の干支である犬の氷像ですが、なかなかの出来栄えです。それでは皆様が今年一年を健康で過ごせますようにお祈りいたします。


まえかわいい 医療法人 前川医院

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